「長生きリスク」という言葉を聞いたことがありますか?
本来「長生き」は喜ばしいことですが、長く生きることでその分お金がかかってくることも事実です。
また、年齢を重ねるにしたがって病気になる確率も高くなり、療養費や介護費がかかってくることも多くなります。
加えて、パートナーに先立たれるなんて経験もしてしまうかもしれません。
「お金」「健康」「孤独」は老後の3大不安と言われています。
老後に備えてのリスク管理は、私たちの将来に対する安心感を高める重要な要素となります。
そのため経済的な安定や健康状態、精神的なケアなど、さまざまな側面からリスクを考え、その対策を講じることは不可欠なんですね。
この記事では、人生100年時代の「長生きリスク」に備えるべく今何をするべきかについてお話ししますね。
老後のリスクは、大きく分けて経済面と健康面、そして精神面でしょう。
ここでは、それぞれのリスクについて見ていきますね。
令和元年に「老後2000万円問題」という言葉も話題になりましたよね。
年金で足らない分を自己資金から出していくと、30年で2000万円になってしまうという衝撃的な報告でした。
老後に資金が枯渇してしまうのではと、漠然とした不安を持ち続けている人も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、そのことが気になって少しでもお金の知識を身に付けたいとFP(ファイナンシャルプランニング)の勉強を始めました。
老後の生活において食費や交際費については、もしかしたら若い頃に比べて減っている場合もありますが、医療費の割合は多くなるなど支出の内訳は変わってくるでしょう。
そして、水道光熱費や家賃、税金などの決まったお金はかかってきてしまいますよね。
退職した後、これらのお金が年金で賄えないとなると自己資金から出していくしかありません。
加えて、インフレーションの影響で貯蓄額が事実上目減りしてしまう可能性もあるんですね。
昨年(2023年)の物価上昇率は3.1%だったそうです。
例えば、100円のものは103.1円出さないと買えなくなってしまうってこと。
つまりインフレーションの場合、物価の上昇に追いつく形で資産を増やしていかなければ、お金の価値が減っていってしまうんです。
このような経済リスクに備えるため、長期的な視点での貯蓄や投資が不可欠ですよ。
年齢を重ねるにしたがって、誰にとっても健康に関するリスクは避けられない現実として存在します。
慢性疾患が発生し定期的な受診が必要になったり、突然のケガのリスクも増大してしまいます。
さらに、老後の生活において特に心配されることの一つに、認知症の問題があります。
認知症が進行すると日常生活を自力で送ることが難しくなり、最終的には要介護状態に陥る可能性も高くなるんですね。
介護が必要になれば、それはその人だけの問題ではなく家族や周りの人々にも大きな影響を及ぼすでしょう。
したがって、これらの健康リスクに対して、しっかりと対策を講じることが重要になります。
事項で詳しくお話ししますが、定期的な健康チェックや適度な運動、バランスのとれた食事を心掛けることなどが有効ですよ。
また、健康リスクは経済面や精神的な面とも密接に結びついています。
医療や介護には大きな費用がかかることが多く、その準備がないと経済的な負担が増えてしまいます。
加えて、孤独が原因で認知症の発見が遅れることもあるでしょう。
だからこそ、経済的な安定と社会的なつながりの確保も同時に考慮する必要があります。
健康に関する知識を深め日常に取り入れる工夫をすることで、心身ともに豊かな生活を過ごすことができるはずですよ。
人生の黄金期であるはずの老後に、精神的なリスクが迫ることがあります。
孤独感や社会的孤立、そしてうつ病など、これらの要因は深刻な問題となり得ます。
特に長年働き続けてきた人にとって、退職後に「やっとのんびりできる」と期待する一方で、心にぽっかりと穴が開いたような虚無感に襲われることも少なくありません。
一人暮らしをしている場合は、特に孤独感に苛まれることがあるかもしれませんね。
日常の小さな出来事を共有できる誰かがいないことが、心に重くのしかかってくる場合があります。
一方で家族と暮らしている場合でも、家族との関係が必ずしも良好とは限らず、居心地の悪さや圧迫感を感じることもあるでしょう。
私も大学進学を機に家を出ていた娘と再び一緒に暮らすことになったとき、「一人暮らしが気楽で良かったな」と感じてしまいました。
これらの問題に対処するためには、自分自身が快適に過ごせるような環境を整えることが非常に重要です。
例えば、趣味やボランティア活動に参加して新しい友人を作ることや、地元のコミュニティに参加して社会的なつながりを持つことが、有効な手段となり得ます。
また、家族との間でお互いのスペースを尊重し合うことも、心地よい家庭環境を築くための鍵ですね。
さらに、メンタルヘルスを維持するためには、日々の健康管理や適度な運動、バランスの取れた食事も欠かせません。
こうした日常のケアを通じて、心と体のバランスを保ち、より充実した老後生活を送ることができるでしょう。
安心して老後生活に入っていくため、少しでもリスク回避するように対策が必要です。
実際に何をすればいいのか考えていきましょう。
老後資金の対策を行うことは、老後を安心して過ごすために一番大事なことと言えるでしょう。
残念なことに、公的年金だけでは老後生活を賄えない可能性があります。
人生100年時代においては、自助努力(他を頼らず自力を尽くして物事を成し遂げること)による資産形成が求められているんですね。
できるだけ長期的な視点で資産を形成するのがベストです。
また物価上昇のリスクに備えるため、貯めるだけではなく資産を運用して増やしていくことが重要です。
老後の生活にはどのくらいお金がかかるのでしょうか。
総務省が2022年に行った調査では65歳以上夫婦で収入214,426万円、支出236,696円(平均月額)となっています。
65歳以上単身者の場合は収入122,559万円、支出143,139円(平均月額)です。
どちらも約2万円マイナスになっていますね。
このことから、やはり自身の貯蓄の取り崩しが必要な人も多くいることが分かります。
支出は食料、住居、光熱水道、医療費などに分かれて調査されていました。
ちなみに食費は夫婦の場合67,776円、単身者で37,485円でした。
この辺は個人差もあると思いますので、自分ならどのくらいか当てはめてみると良いでしょう。
また、医療費が夫婦で15,681円、単身者で8,128円でした。
やはり定期的に医療費がかかってくることも考慮しておく必要がありそうですね。
収入は給与や事業収入もありましたが、ほとんどが社会保障給付つまり年金ですね。
そこで、自身の年金給付額を確認する必要があります。
年金の見込額は「ねんきん定期便」か「ねんきんネット」で確認できます。
「ねんきん定期便」は毎年の誕生月に送られてきます。
50歳以上の人の場合、年金見込額が記載されていて、これは今の年金納付状態が60歳まで続いたと仮定して計算されたものなので、実際の受給額はこのくらいかとの目安になります。
50歳未満の人の場合、「これまでの加入実績に応じた年金額」なので今までに納めた分だけで計算されています。
また、ねんきんネットでは年金見込額の試算ができます。
「かんたん試算」と「詳細条件で試算」があり、かんたん試算では60歳まで現在の加入条件が続くと仮定しての試算ができます。
詳細条件で試算では、今後の職業や収入、期間、受給開始年齢など条件設定をして試算できるんですね。
老後を迎えるにあたり、できるだけ長く働くことは経済的な安定だけでなく、さまざまな面でリスク回避に非常に有効です。もちろん、仕事を続けることによって定期的な収入が得られ、その結果として経済的な不安が軽減されます。
また、仕事を持つことで社会との繋がりを保ち続けることもできますよね。
加えて、年金の受給開始年齢は通常65歳ですが、受給を遅らせると年金額が増えるというメリットもあります。
仮に年金受給を遅らせることが難しいとしても、週に数日だけでも働くことで家計への負担を軽減でき、資産の減少を抑えることができるかもしれません。
仕事を続けることには経済的なメリットだけでなく、健康や心の健康にも良い影響を与える可能性があります。
日常的なルーチンや目的を持つことは、精神的な充実感をもたらし社会的な孤立感を防ぐ手助けとなります。
しかし、過度なストレスや無理は逆効果です。
自分の体力や精神状態に合わせたペースで働くことが重要ですよ。
人生の後半に差し掛かったら、無理のない範囲で体も心もリフレッシュできるような働き方が理想的でしょう。
例えば、趣味に関連した仕事や自分のペースで働けるパートタイムの仕事など、心地よい環境で働くことが大切です。
年齢を重ねた女性ならではの柔らかさと優しさを発揮できる仕事を見つけることで、働くこと自体が喜びとなり老後生活も一層豊かになるでしょう。
健康を維持するために下記のようなことに気を付けましょう。
- バランスのとれた食事を摂る
- 適度な運動の習慣を身に付ける
- 健康診断や定期的な受診により健康管理を行う
- 転倒などの危険がないように生活環境を整える
- ストレスを溜めないようにする
適切な食事や運動、健康診断の受診など、健康管理に努めることが老後を健康に過ごすための鍵となります。
できるだけ規則正しい生活を心がけ、健康状態を維持しましょう。
健康診断や予防接種も健康を守る良い方法です。
定期的な健康診断や予防接種を受けることで、疾病の早期発見や予防につながります。
健康面でのリスクを最小限に抑えるためにも積極的な取り組みが必要ですね。
また、年を重ねることで筋力や瞬発力が衰えてくることもあります。
普段過ごす場所に危険な箇所(つまずきやすい所や滑りやすい所など)がないか?確認し、安全に過ごせるよう改良すると安心です。
加えてストレスを溜めないように気を付けましょう。
全くのストレスフリーで暮らすことは難しいでしょうが、自分に合ったストレス解消法で発散し、溜め込まないことが重要です。
老後生活において精神の安定は重要です。
退職することで社会的なつながりが途絶え、孤独感を感じることもあるでしょう。
一人暮らしの場合、特に孤独を感じてしまう機会が多いかもしれませんね。
私もバツイチなんで、「娘がいなくなったらどうなるんだろう?」なんて考えることがあります。
そうならないために、趣味に興じたりコミュニティ活動に参加したりするのもいいでしょう。
とはいえ、新しいことに挑戦するのも心に負担がかかることもあります。
私の場合、老後生活に入るちょっと手前の今から老後に楽しめる趣味を見付けようと頑張っています。
といっても、手芸(レース編み)では断念し現在ガーデニングに挑戦中なんです。
今はパートで仕事をしているんですが、仕事を完全に辞めたらドコか行くところ考えなきゃとも思っています。
心身のバランスを保つための生活習慣は人それぞれではないでしょうか?
外へ出た方がイキイキする人もいれば、お家で自分の好きなことをするのがいい人もいます。
どちらにせよ自身が快適に過ごせるのが一番です。
ストレスは様々な不調の引き金にもなります。
ストレスを軽減し、適度な運動や休息、心のケアを行いながら、バランスの取れた生活習慣を整えることが重要ですね。
健康で幸せな老後を送るためには、健康管理と幸福度向上が欠かせません。
バランスの取れた生活やポジティブな考え方で、老後生活をより充実させましょう。
- 老後に不安を感じるのは「お金」「健康」「孤独」である
- 老後の3大リスクに備えることで安心して老後生活に入れる
- 老後資金対策をすることでお金の不安が軽減する
- 健康管理やバランスのとれた生活をすることで健康の不安が軽減する
- 趣味やコミュニティ活動でストレスを解消することで精神の健康が保てる
老後生活におけるリスク要因を十分に理解し、それらに対処するための対策や考え方をしっかりと持つことが重要です。
健康や幸福を見据えた老後生活の準備を進め、充実した生活を送るために必要な対策を実践していきましょう。